オールナイトSF映画鑑賞会①]リベリオン

先週の金曜日の夜、SF好きな友人と徹夜で映画6本マラソンしました。ラインナップは

リベリオン

マッドマックス怒りのデス・ロード

トロン

AKIRA

インターステラー

チャッピイ

と順番・ラインナップ共に僕は非常に満足できました!トロンとAKIRAはうちにあった映画です。あとは友人の持ち込みでチャッピイ以外は何回か見ていたそうです。

全部一気に紹介するのはいつまでたっても終わらなさそうなので一本ずつ公開していこうかな。まずはこれ。

 

一本目 リベリオン

2002年公開 106分

https://ja.wikipedia.org/wiki/リベリオン

マトリックスの後の年に公開された映画です。そのせいで当時は評価がイマイチふるわなかったそうですが、今では王道の映画として評価されています。

 

ガン=カタという二丁拳銃を使った格闘の始祖と聞いていました。

トライガンというマンガの主人公がこれと似たような動きをして戦っていたような。他にも両手に銃を持つキャラクターはこれ以降なにかしら影響を受けているのかな?とかく二丁拳銃をもったらこの映画のようなアクションを無条件で期待してしまう程度には影響があったのではないでしょうか。実は映画の中では大勢にを相手に披露するのは終盤になります。

 

後にバットマン・ビギンズダークナイトで有名になるクリスチャン・ベールが主演ですね。吹き替え版で見たのですが小山力也さんが担当で渋さと繊細さを持ち合わせた声質でピッタリでした(言語版をリスニングできるわけではないし元のクリスチャンの声を聴きこんだわけではないのであくまで演技として作品にあっているというレベルですが。)。私は洋画は積極的に吹き替えを見る方で、どうせ英語やらフランス語やら聞き取れないのであれば映像に集中するためにスムーズに聞ける方にしてしまえ!という考えです。あとは声優さんたちの演技を信頼していますし、よっぽどおかしな声質をあてがわなければ役の印象もそう変わらないと感じるからですかね。まあ、だからこそ話題性優先でヘタクソな芸能人の吹き替えを映画館で聞かなければならない事があるというのは耐え難いんですがね……。

 

ストーリーは王道のSFでした。感情を薬で抑え込むという方法で平和を保とうとする管理社会の中で、主人公は薬を断つことで感情を持ったり文化的な活動を行ったりした人間を取り締まる役職に就いています。他人の感情を予想できる彼は優秀な取り締まり役で様々な事件を取り締まっていきます。その中で感情を大事にする人間たちと関わっていき、今まで任務を果たすことがすべてだった心はある日薬を飲まなかったことをきっかけにどんどんと変わっていき、やがて社会へ疑問を持つようになる…となって展開していきます。…

 

全くの予備知識無しに見たのですが非常に楽しめました。脚本のまとまりがよくて最後にすべてをぶちまけていくような感情を取り戻していく主人公にうまく共感でき、またピンチに陥ったところからのカタルシスもあり、最後も収まるところに事態は収まりと視聴後とてもスカッとする脚本だったと思います。子犬を打ち殺す命令や初めて人を好きになってしまった自分自身に戸惑い悩む主人公の姿は心にくるものがありました。友人によると何度か見返すと微妙につじつまが合わないと言える箇所もあるそうなのですが、それによって本編に集中できないという事も無かったので恐らく許容範囲なのでしょう。

 

映像面では最初に書いたガン=カタはもちろんの事、コンクリートでできた無機質な街並みや、無機質な室内と美しく感情を揺さぶるような感情犯罪者たちの空間の対比、主人公が感情に目覚めるまでの演出など安っぽく無く綺麗にまとまっていたと感じます。

視聴中にこの映画が低予算で作られたことを友人が語ってくれました。兵士たちの真っ黒で顔の見えない統一された服装はアクターが同一人物で何度も出てきても違和感がないようにという事でしたがこれはメイキングに収録されている逸話のようですね。

 

さて、脚本のところでも書きましたが物語部分では感情を持たない方が人間は幸せではないのか、というのが核になっています。友人はそれもまた真理。争いが起こらない平和な世界になってあらゆる人間が飢え死にしたり暴力等で被害をこうむることの無い社会はそう悪い物では無く、むしろ受け入れてもいい、と思い入れのある作品のようでした。人生で感情の面で喜びを感じる事よりもそれらに振り回されてきた経験の方が印象としては勝るという彼の意見ですが、強く否定する気にはなれませんでした。自分であれば同じディストピアでもマトリックスの世界のようにずっと夢を見させてくれるように、それもあらゆる快楽や幸せの中で気づかず死ぬまでというのを望むのですが、それはマトリックス世界ではうまくいかなかったので却下されているのだと友人に指摘されて思い出しました。マトリックスも小学生以来見ていない作品ですから見返したいですね。

 

とにかく一度は見ておいて損はなく、単純にアクション作品、エンタメとしても楽しめる印象に残ったものでした。ではまた次に!

映画レビュー:ブレードランナーファイナルカット/劇場公開版

ブレードランナー 1982年公開

ブレードランナー - Wikipedia

 

このブログを始めるきっかけにもなった作品。これが無ければ始まらない。サイバーパンクの代名詞ですね。

Blade Runner 少々重いので閲覧注意 予告映像が流れます。

2007年のブレードランナーファイナルカットの公式サイトです。なんだか凝ったフラッシュで出来たHPが小学2年生あたりに夢中で見たハリーポッターの公式サイトを思い出して懐かしい気分になりました。

人間と同じように作られたレプリカントの反逆を主人公であるデッカードが収めようとする話です。

 

この作品を見ようと思わせ、さらにはこのブログを書くきっかけにもなったのがニンジャスレイヤーというネット上で言葉づかいが流行した小説です。これに関してもまた記事を改めて書きたいです。

ninjaheads.hatenablog.jp

この間違った日本観を謳う奇妙な小説の宣伝文にあるのが、サイバーパンクというあまり馴染みの無い言葉でした。以前からSF映画が好きな人間ならば一度は見るべきと様々な場所で目にしていたタイトルがブレードランナーでしたが、ケーブルテレビでたまたま録画されたこの映画を見た時、私は都会のネオンサインや初音ミク等の電子の歌姫、アニメPSYCO-PASS等の心惹かれるSF作品等をすべてまとめて表す言葉がなんだったのかを映像で理解しました。なるほど!これがサイバーパンクか!と。この強烈な世界観は既に見てきた様々な作品から私の中にすでに醸成されていました。 それほど今にまであらゆる映像の中で生き続ける伝説的な作品がブレードランナーなのです。

 

冒頭のシーンで見下ろす街の映像、強力わかもとの巨大な電光掲示板に映し出される映像、主人公デッカードが雨の降る中日本人の経営する屋台で注文する「二つで十分」な謎の料理とうどん、と正直ここまででお腹いっぱいになるくらいワクワクしました。CGを駆使した映像ではなくてすべて合成で作られているというのも映画の製作年代を父親の青春時代と聞いていたので正直信じられないレベルでした。

遠景や空飛ぶパトカーのデザインなど美術ではシド・ミードが参加していると後で知りましたが、自分にとってはターンAガンダムのデザイナーという事で馴染みがありました。

 

ストーリーは一度目はファイナルカット版を見てあまり理解が及ばなかったのですが、不思議と惹きつけられました。次に劇場公開版を見て、デッカードのモノローグやラストシーンが追加されており、非常にわかりやすかったです。個人的にはこちらのバージョンの方が話としてはまとまりがいいなと感じます。人間とはなんなのか。決められた寿命を生きるレプリカントは何を思うのか。人間とレプリカントの違いは実はないのではないか。最後は人間もレプリも寿命は同じようにいつ死ぬか分からないとしてデッカードとレイチェルが二人生きていく。という結末ですね。私はファイナルカットでなくなってしまったこのシーンがあった方がしっくりと来ます。

 

見た後おーぷん2ちゃんねるでスレッドを建て、いくつかレスをいただいたので参考にさせていただきました。映画が好きな名無しさんたちが沢山集まって色々な話ができて楽しかったです。

【洋画】ブレードランナーっていうSF映画を見たんだけどさ【サイバーパンク忍殺】

 

12名無しさん@おーぷん :2016/04/18(月)22:24:31 ID:aOz 

>>9
初回公開版は色々あって評価が低いんだよなw

15名無しさん@おーぷん :2016/04/18(月)22:28:09 ID:pAB() 

>>12
スターウォーズと被ったからだって映画のレビューのページに書いてた
明るいハン・ソロの活躍するアクションものを期待してたのに裏切られたって感じで
宣伝と中身が噛み合ってなかったんだよね多分

 
当時の評価は低かったものの、後年に理解されるにつれファンを獲得していったようですね。スターウォーズは私もエピソード1を幼少期に劇場で見てからビデオで何度も旧3部作を見たものでした。
父は公開当時にこの映画を見ていたようで、昔ふっと言われたことがあります。
ブレードランナーっていう映画がある。これにはあらかじめ寿命を決められた人造人間が出てくる。寿命を延ばそうと必死に足掻くけど、人間だっていつ死ぬか分からない。俺もお前もな、」と。ちょっとキザな父らしい言葉です。しかし当時の人の心に様々な形で残っている作品である事はよく分かります。父にはコブラの原作漫画や人造人間キカイダーのマンガなどを本棚から拝借して読んだ経験もあるのですがどちらも多分にこの映画を彷彿とさせるものです。どちらも自分の感性を作り上げたものですからいずれ出会うべき映画だったのは確かですね。様々な意味で観て良かったと思える作品でした。ではまたいつか!